心筋梗塞や狭心症の発症に注意
心筋梗塞や狭心症などの心血管疾患は、女性の場合は50代がピークです。HIVそのものやHIV薬の一部もそのリスクを高めることが知られています。
また、喫煙者や高血圧がある場合、心血管疾患のリスクはさらに高まります。
血液検査でコレステロール値が高い場合は、主治医に相談してください。
50歳から急増する前立腺がんに注意
男性の前立腺がんリスクは年齢と共に上昇し、50歳から急速に増えはじめます。
罹患数は、胃がんに次ぐ第2位となっています。*
前立腺がんはHIVそのものでリスクが高まることはありませんが、
もし心配なことがあれば、主治医に相談してください。
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「最新がん統計(更新・確認日:2020年03月25日)」国立がん研究センター
がん情報サービス.
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
(参照 2020-04-14)
大腸がんの検診を受ける
日本でのがんによる死亡数の第2位である大腸がんは、HIV陽性かどうかにかかわらず、全死因の第2位*です。50歳を過ぎたら、がん検診を受けましょう。
HIVとがんの関係については、“HIVとがんのリスク” のページをご覧ください。
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「最新がん統計(更新・確認日:2020年03月25日)」国立がん研究センター
がん情報サービス.
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
(参照 2020-04-14)
寝るときの姿勢に注意
横向きや仰向け、うつぶせなど、睡眠パターンは、年齢と共に変化していきます。また、睡眠時間は短すぎると健康に悪影響をおよぼします。睡眠に何か問題があれば、主治医に相談してください。
勃起不全の原因に注意
男性は50代以降、HIV陽性かどうかにかかわらず勃起不全になりやすくなります。糖尿病や腎臓病、心臓病など、別の問題の徴候であることも考えられますので、主治医に伝えることが大切です。
骨粗しょう症を診断する指標 “YAM値”を知る
YAM値とは、骨密度の「若年成人平均値 (Young Adult Mean) 」で、骨折の有無や年齢、家族歴などと組み合わせて、骨粗しょう症の診断に使われる指標です。HIVに感染した人は骨量を失いやすいため、十分な量のカルシウムとビタミンDを毎日摂取しましょう。また、骨の健康を保つ方法については主治医に尋ねてください。
肝機能 (ALT、AST) の低下に注意
肝臓が栄養素を代謝し、有害物質やお薬の成分、アルコールなどを解毒する働きは、年齢と共に弱まります。また、HIVに感染した人がC 型肝炎ウイルスに重複感染したり、肥満やアルコールを飲み過ぎたりしていると、肝臓の損傷が急に起こることがあります。機能の検査結果について主治医に尋ねてください。
HIVと肝臓の健康の関係については、“HIVと肝臓の健康状態”のページをご覧ください。
閉経後は骨粗しょう症に注意
閉経を迎えた女性は、骨粗しょう症になりやすくなります。これは、閉経に伴い女性ホルモンのエストロゲンが欠乏することと骨粗しょう症の発症が直接関係するためです。
HIVに感染した人は、年をとったら骨量が減りやすいことを若い頃から意識しておくとよいでしょう。カルシウムやビタミンDなどを摂取し、骨の健康を保つ方法について主治医に尋ねてください。